| 技法 | リキテックス、キャンバス |
| サイン | 裏面にサイン「On Kawara」 |
| サイズ | 20.3×26.7 cm |
| 制作年 | 2000 |
| 展覧会歴 | 「片山正通的百科全書 人生はつらい…買い物に行こう」、東京オペラシティーギャラリー、2017年4月8日-6月25日、同展覧会図録 pp192, 216, 218 cat. no. 441 掲載 |
| 来歴 | フィリップスニューヨーク、片山正通コレクション、2017年9月19日、lot. 016 Taro Nasu ギャラリー、東京 |
河原温(1933–2014)は、戦後のコンセプチュアル・アートを代表する重要な芸術家の一人である。1960年代、モダニズム的な芸術体系が次第に問い直され、コンセプチュアル・アートをはじめとする新たな芸術実践が台頭する歴史的背景のなかで、河原温は絵画を時間と存在の経験を記録するための概念的媒体へと転換していった。1966年1月4日より、彼は数十年にわたり継続される《Today Series》(Date Paintings)の制作を開始した。
このシリーズにおいて、作家は極めて抑制的な方法を用い、単色の画面上にサンセリフ体でその日の年月日を描き記した。各作品は制作当日中に完成させることが原則とされ、もし真夜中までに完成しなかった場合には作品は破棄された。
本作《JULY 14, 2000》は、《Today Series》に一貫して見られる形式言語を踏襲している。単色の背景と白い日付の文字のみから構成された画面は、極度に簡潔な視覚構造のなかで、時間を記録され標識化されうる存在の形式へと転換している。日々繰り返されるこの行為を通じて、河原温は個人の生命の経過を持続的な概念的実践へと昇華させ、時間の無限の流れと存在の条件そのものに応答している。
1966年から2013年にかけて、河原温は約3,000点に及ぶ日付絵画を制作し、その制作地は世界130以上の都市に及んだ。2014年に作家が逝去した際、彼を代表するギャラリーは次の一文のみでその死を公表した。「On Kawara lived 29,771 days.」このように数値によって一人の生の長さを示す方法は、時間と存在という作家が生涯にわたり探求し続けた主題と深く呼応している。